費用収益対応の原則

貸借対照表に原則があるのと同様に、損益計算書にも次のような原則があります。

  1. 発生主義の原則
  2. 実現主義の原則
  3. 費用収益対応の原則

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費用収益対応の原則

費用収益対応の原則とは、一定期間の利益は収益とそれに対応する費用によって計算すべきことを要請する考え方をいいます。

発生主義の原則と実現主義の原則で収益は実現主義、費用は発生主義で認識することを説明しました。単純にこれで損益を計算しても正しい損益(期間損益)を計算することができません。

企業は利害関係者に対して一定期間の経営成績を明らかにするために損益計算書を作成しています。一定期間なので期間を区切る必要があります。多くの企業が1年という期間を採用しています。この1年間の利益を計算するためには収益・実現、費用・発生では正しい損益を計算することができないのです。

収益・実現、費用・発生の事例

例えば、ある会社の2年間の取引が次のような場合であったとします。

1年目
リンゴを20個(100円/個)仕入れ、そのうち10個販売(120円/個)した。

2年目
リンゴが腐ってきたので残りのリンゴ10個(95円/個)を販売した。

このような場合、収益・実現、費用・発生だけで損益計算書を作成すると次のようになります。

損益計算書

自 平成1年 1月 1日

至 平成1年12月31日

損益計算書

自 平成2年 1月 1日

至 平成2年12月31日

売上高 1,200 950
売上原価 2,000 0
  売上総利益 ▲800 950

 

費用を発生で認識するため仕入が発生した1年目に売上原価2,000円を計上します。1年目の売上は1,200円ですので、売上総利益が▲800円となり赤字になってしまいます。翌年は仕入が一切ないので売上原価がゼロです。リンゴが腐りかけてきたので値引販売をしたにも関わらず、売上原価がゼロのため売上総利益が950円の黒字です。腐りかけたリンゴを売って利益が出ています。これが本当にこの企業の経営成績を表しているのでしょうか。これでは適正な期間損益計算ができているとはいえません。

費用収益を対応させた事例

では、次に費用収益を対応させた損益計算書を作成します。

損益計算書

自 平成1年 1月 1日

至 平成1年12月31日

損益計算書

自 平成2年 1月 1日

至 平成2年12月31日

売上高 1,200 950
売上原価 1,000 1,000
  売上総利益 200 ▲50

 

このように先の損益計算書とは全く正反対になることがわかります。1年目は10個のリンゴを販売したので10個分の仕入額を売上原価に計上するため、売上原価は1,000円(100円/個)になり、売上総利益は200円になります。2年目は10個のリンゴを販売したので10個分の仕入額を売上原価に計上するため売上原価は1,000円(100円/個)になり、売上総利益は▲50円の赤字になります。

腐りかけたリンゴを値引販売しているのですから、1年目よりも2年目の方が利益が少ないのは当然です。

もしあなたがこの会社に投資するか悩んでいる場合、前者の1年目の損益計算書みて投資しようと決断できますか?

なお、損益計算書も2年間通算の利益は同じです(▲800+950=150、200+▲50=150)。

個別的対応と期間的対応

費用収益の対応には個別的対応期間的対応の2種類があります。個別的対応とは先の事例のように売上高と売上原価の対応をいいます。売上高と売上原価は完全に個別的に対応していますよね(リンゴの売上金額が実現すると仕入金額を発生させる)。これに対して期間的対応とは、人件費や家賃などの販売費及び一般管理費等の期間による対応をいいます。人件費などは個別的に計算することは困難ですよね。なので期間で区切って対応させるのです。

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